AIが人間の職を奪うといわれている昨今、将来について不安に思う人は多くいるでしょう。
現在、すでに一部の物流センターやホテルの案内人、カフェの店員等もAIを搭載したロボットに代わられてきています。
発表された当時はPepperくんも話題になりましたし、最近ではAIを搭載したスマート家電も普及しつつあります。iphoneに搭載されているSiriは最も身近なAIといえるでしょう。
これからの時代、更にAIの技術は進み、生活に根差し、今ある職業も取って代わられていくと予想されます。
10~20年以内に、2人に1人が失業するともいわれており、極端な例として、2045年までには全人口の内1割の人間しか働いていない社会が到来すると唱えている人もいるくらいです。
では、AIに取って代わられずに生き残る職業とはなんなのでしょうか?
- 警察官
- 医者
- 弁護士
- 教師
- 保育士
- カウンセラー
- デザイナー
- 経営コンサルタント
- バーテンダー
- 芸術家
- 映画監督
- 芸能人(モデルやタレント、役者等)
- スポーツ選手
- 聖職者
等が無くならない職業といわれています。
言葉のニュアンスや人の心理が複雑に絡んでくる分野はやはり人間の方が適性がありますし、コミュニケーション能力が重要となるものや、創造性が必要な分野でも人間の方がまだまだ優れています。
その人自身やその人の能力自体が商品となる芸能人やスポーツ選手、プロ棋士、芸術家等も無くなる可能性は低いです。
警察官や消防士、自衛隊等の公務員も、国民の安全や秩序を守る職業はなくてはならないので、AIの導入こそあれ無くなるなんてことは考えにくいですね。
AI時代にも必ず生き残ると思える仕事は?
完全に無くなるという事態にはならないだろうと予測している職業の中でも、私は特に教師や保育士、カウンセラーに注目しています。
カウンセラーは、単純に相談相手はロボットではなく、人間である方が安心感を得られる人も多いですし、心理的な面でも理解し心に寄り添うということに関しては人間の方が優れているからです。
保育士は、少子化と騒がれる中でも待機児童問題が浮上するくらいの需要がありますし、将来、たとえ育児ロボットができたとしても、安心して小さな子供をロボットに任せられるかというと、人ではなくロボットなので不安だと感じる人が多いのが現状だからです。
また、未就学児の待機児童問題とは逆に、少子化の波による影響で廃校する学校が多くなってきている件とAIを結びつけた見解については、様々な意見があります。
そもそも廃校により教師の雇用が減ってきていますし、全国で教える内容が同じなのであれば教師は要らなくなるのではないかという人もいます。
一例として、通信制高校等でも用いられている映像授業が主流になれば、勉強を教える教師というのは不要になる可能性も大いにあるのは事実です。
現在でも、ベテラン講師の映像授業を受けられますし、スマートフォンの登場により気軽に誰でもどこでも動画を見れる時代ですので、更に技術が進んだ未来では黒板のかわりに画面があって……という光景もありえる話に思えてきます。
映像授業は全日制高校以外の通信制高校や予備校、塾でこそ成り立つシステムのように思えますが、複数の教室へリアルタイムで授業内容を同時に配信し、質問も画面を通して教師に問いかけることもできるとなると、実際に授業を受けているのとあまり変わらない状況になるのではないでしょうか?
クラスにより授業進度が異なってしまう問題も解決しますし、教師の雇用も最低限で済むので効率的です。
また、人間の教師が一度の授業で全ての生徒を見る事は不可能ですが、もしもAIが生徒の能力や得手不得手に対応し一人一人をしっかり見れるとしたら、それは人間の不可能をAIが可能にしたことになります。
素晴らしい技術の進化やAIの恩恵を受けられ、一見良いこと尽くしのように思えますが、教師の役割は勉強を教えることだけには留まりません。
部活動の指導や進路指導、学校行事の運営、生徒の相談役としても教師がいます。
モンスターペアレントという言葉もありますが、生徒の親への対応もAIに任せられるかというとそうではないでしょう。
学校は勉強を学ぶだけの場ではなく、その他の大切なことも学ぶ場です。
生徒同士の諍いは生身の教師が仲裁に入ったほうが、AIが介入してくるよりも現実的な解決に繋がる可能性の方が高いです。
AIだけで解決するには難しい事柄が多く発生する環境なので、今の教育制度を大幅に改革しない限り、アシスタントという形でのAIの導入こそあれ、完全に教師という職業が無くなる可能性は低いと考えます。
AIにとってかわられてしまいそうな仕事に関する考察
反対に、無くなってしまう職業はなんなのでしょうか?
- 運転手(バス、タクシー、トラック等)
- 配達員
- 秘書
- レジスタッフ
- 会計士
- 税理士
- 受付等の案内業務
- オペレーター、コールセンターのスタッフ
等です。
もちろん他にもあるのですが、今後ドローンによりますます配達に人手が要らなくなってくるでしょうし、法整備がしっかりとされれば青い空にはドローンが飛び交い、荷物を運んでくるなんていう光景が日常になるかもしれませんね。
2018年に入ってすぐにアニメ映画「君の名は。」が地上波で放送されましたが、その際に印象的なCMが流れました。
君の名は。でヒロイン宮水三葉役の声優を勤めた上白石萌音さんが出演していた「ソサエティー5.0」に関するCMです。
ソサエティー5.0は日本の政府が提唱している科学技術政策の一つです。
内閣府のホームページには「ソサエティー5.0とは、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と記載されています。
CMではまさにその融合を果たした姿が描かれています。
その一つにドローン宅配がありました。ドローンが宅配物を注文者に届けに来るのです。空路を行くことにより、離島へも今より短い時間で届けることが可能になります。
こうなると、本当に配達員は不要になってしまいますね?
そして、そのCMでは無人走行バスについても取り扱っていました。
そう、運転手です。無人走行、つまり人工知能を搭載した自動運転技術が確立した場合、バスやタクシーの運転手、電車の車掌さんや長距離トラックのドライバーも職を失うことになってしまいます。
これは少し先に訪れるであろう未来の話で、レジのスタッフに関してはすでに職を奪われつつあります。
コンビニやスーパーなど、お金で購入できる物があるお店には必ずいるレジスタッフですが、特にスーパーでは自分で精算するセルフレジを導入しているところも少なくありません。
ですが、それにとどまらず大手通販サイトで有名なAmazonがAmazon GOという店を開店し、レジの無い店として注目されました。
なんと、買い物客は専用アプリを開き自動改札にスマートフォンをタッチし、入店後は欲しい物を持って出るだけでいいのです。面倒なレジ精算がないなんて画期的なシステムですよね?
これにもAIやセンサーなどの技術が使われており、手に取った商品を認識しアプリ内のカートへ入れ、退店するとAmazonアカウントで代金が支払われるという仕組みのようです。
その他にもキャッシュレス化の波は押し寄せ、列車の運賃でさえ手に埋め込んだチップをセンサーにかざしただけで精算できるなんて国もあります。
キャッシュレス化が今よりも進み、更にAmazon GOで取り入れられている技術が普及してきたとしたら、レジスタッフの雇用は激減し、いよいよレジスタッフという職業は絶滅を危惧されてきます。
受付などの案内業務に関しても、最近話題となった恐竜型ロボットがホテルマンとしてチェックイン等の案内をしている姿はとても衝撃的でした。
変わった姿のロボットを売りにした店も今後増えていくと予想されます。
これからの時代、職を奪われない分野を知り、AIとうまく共存していくことが重要になりますね?